神戸・三ノ宮駅東口
「神戸はおしゃれ」と言われるが、それは旧居留地や北野坂の一部だけで、神戸全体を見れば、労働者階級の雑多な街だと思う。
観光客目線では、その雑多な街「神戸」が逆に「リアリティ」があり「人間らしい魅力」がある。
神戸のおしゃれで値段の高いレストランは、表層的で、味も美味しくないことが多い。
神戸人は気付いていないが、観光客を増やすため「富裕層向けホテルや施設」は必要ない。
ありのままの「雑多な神戸」が魅力的なのだ。
「神戸はおしゃれ」なんて神戸人の多くはそんな生活はしていないから、「嘘っぽく」思える。そんな安っぽいキャッチフレーズでは観光客は呼べない。
神戸は階級社会
どの都市だって貧富の差はある。しかし、神戸は「階級社会」だと思う。
例えば、大阪や京都は1,000年以上の歴史がある。
1,000年前は電車もバスもなかったので、富裕層の屋敷から1km~2km圏内に庶民が住んでいた。
その名残で、大阪や京都では、屋敷町のすぐ近くに庶民的な住宅密集地がある。つまり、富裕層と庶民がすぐ近くに住んでいるのだ。
ところが、神戸は明治からの約150年の歴史しない。明治時代には路面電車が開業し、職場から離れた場所に庶民が住むようになった。
そのため、神戸特有の坂の影響もあり、富裕層と庶民が離れて住みようになり、それが階級社会を形成した。
1,000年の歴史があれば、上流階級は「武士道」であったり、「貴族の心得」を身に着けるものだ。
しかし、神戸は歴史が浅く、神戸の富裕層は、金儲けのために神戸に来て成功したものが多い。
成功と言っても、神戸に先に来て安かった土地を購入したり、地方出身者などの安い労働力を使って工場を立ち上げただけだ。
つまり、先行者利益と利権などで富裕層になった下品な人が神戸に多い。
そんな下品で雑多な神戸が富裕層向け観光地になるはずもない。
観光客が実感できない「おしゃれな神戸」
神戸旧居留地の雰囲気はいいが、ブランド店があるだけで、観光客が行っても「ウィンドーショッピング」をするだけだ。
観光客用の2,500円~5,000円のランチが非常に不味い。神戸人はそういうお店には行かないからその実態を知らないと思う。
そのため、どの都市でもあるような1,500円くらいのパスタランチを食べるだけになってしまう。
神戸の美味しいB級グルメ
平均的神戸人は、800円くらいのランチを食べることが多いから、その価格帯のグルメが美味しくなる。
神戸は、「いい意味」で小汚いB級グルメの街だ。
労働者の街「神戸」が背伸びして「富裕層向け観光地」になろうとしても、無理な話だ。
神戸が復活するには、「おしゃれ」路線は捨てて、労働者のB級グルメの街とし再出発するしかない。
まとめ
神戸の目指している「おしゃれ」な街とは、結局、金で買える物質的な価値でしかない。
しかし、神戸の労働者のリアリティであるB級グルメは、「精神的」な豊かさにあふれている。
それこそが、神戸でしか体験できないことなのだ。
金で買える「おしゃれな街」なんて東京に行けばいくらでもある。
神戸がいくらがんばっても東京の劣化版でしかない。