クリエイティブラボ神戸(神戸医療産業都市)の「ウェットラボ」に「神戸市外郭団体・神戸医療産業都市推進機構」が入居

完成予想図(出典 神戸市)

クリエイティブラボ神戸(CLIK)は、神戸市のポートアイランドにある神戸医療産業都市の研究開発拠点で2020年9月に竣工し、2020年10月に竣工記念式典を開催した。

クリエイティブラボ神戸 物件概要

名称 クリエイティブラボ神戸(CLIK)
所在地 神戸市中央区港島南町6丁目3番7
用途 レンタルラボ・オープンイノベーション拠点
敷地面積 約5,066㎡
延床面積 約12,268㎡
構造 鉄骨造
階数 地上6階
事業主 神戸都市振興サービス(神戸市外郭団体)
整備費 約39億円(土地取得費などを除く)
施工業者 明和・関建特定建設工事共同企業体(建築工事)
川崎設備工業株式会社(機械設備工事)
西部電気建設株式会社(電気設備工事)
着工予定 2019年6月
竣工予定 2020年9月

クリエイティブラボ神戸の「ウェットラボ」に神戸市外郭団体である「神戸医療産業都市推進機構」が入居している。運営は神戸市外郭団体である「神戸都市振興サービス」が担当する。

神戸医療産業都市推進機構の事業は「神戸医療産業都市の推進に係る企画立案、人材育成、学術集会、情報発信、産官学医の連携・融合促進及び国際交流等」だが、「再生・細胞治療の研究開発」「医療機器の研究開発」「医薬品の研究開発」も主な事業としてHPに記載されている。

クリエイティブラボ神戸に入居しているのは、「次世代医療開発センター(HBI)」で1Fで動物実験、6Fに4つの研究部が入居する。

神戸医療産業都市推進機構の研究部門を集約し、本庶理事長マネジメントのもと自己免疫疾患など新たな治療法が求められる疾患に関する治療法の研究開発を行い、企業との連携も加速させるとしている。

 

出典 クリエイティブラボ神戸(CLIK)

6階建ての建物のうち、6階と1階の全フロアと5階の一部のフロアを神戸医療産業都市推進機構が使用している。

神戸市が外郭団体に補助金を出して、外郭団体が建物を建設し、外郭団体が入居、別の外郭団体が運営するという構図でいいのだろうか?

外郭団体ということで、神戸市直営の事業と比較して、神戸市議会の監視が及ばない部分があるのではないか?

さらに、クリエイティブラボ神戸に入居する民間企業にも家賃補助など神戸市の税金が投入されている。

神戸医療産業都市は、国と神戸市4,400億円(国3,700億円 神戸市700億円)投じた日本最大のバイオメディカルクラスターで、2001年に先端医療センターが開設され、21年が経過しているが、いまだに神戸市の外郭団体や神戸市の補助金頼りの運営ではないか?

国の税金3,700億円も投じられている事業であり、神戸市のみならず、関西一円への波及効果がなければいけない。

はたして、公金4,400億円が投じられた神戸医療産業都市は20年以上が経過しているが関西圏の住民は恩恵を受けているのだろうか?

 

神戸市などの補助制度

神戸市への進出企業へは家賃補助などの補助制度がある。

出典 神戸市(2022年5月)

出典 神戸市(2022年5月)

 

過去記事(2020年)

国と神戸市4,400億円(国3,700億円 神戸市700億円)投じた日本最大のバイオメディカルクラスター「神戸医療産業都市」はどうなっているかと調べてみた。

すると、神戸市が神戸医療産業都市の外郭団体「神戸都市振興サービス」に土地を10億円で売却し、同時に10億円の補助金を交付していることが2019年11月神戸市の「外郭団体に関する特別委員会」で追及されていることが分かった。

 

クリエイティブラボ神戸 完成予想図(出典 神戸市)

2019年11月神戸市「外郭団体に関する特別委員会」会議録によると「クリエイティブラボ神戸」の公募条件は当初から10億円の補助金を交付することを前提としており手続き上は問題はないと言う。

しかし、神戸市が10億円で土地を売却して、同額の10億円の補助金を交付するのは不可解だ。

そこで、いろいろと考えてみた。

 

ポーアイ2期の土地の販売実績を作りたかった?

クリエイティブラボ神戸建設予定地周辺(2020年頃)

神戸ポートアイランド2期部分の分譲地は空き地が多く、神戸市の無計画な開発と批判されてきた。

そこで「10億円で土地が売却できた」という実績を作りたかったのではないか?

そもそも、30年間のラボ運営という公募条件から民間企業が購入するはずもなく、事実上「神戸市の外郭団体」しか購入しない案件で「10億円の補助金交付」という前提条件がつけられた可能性がある。

神戸医療産業都市は構想から20年も経過しているのに、いまだに民間企業が土地を購入する動きはなく、神戸市が外郭団体に土地購入代金と同額の補助金10億円を交付しないと売却できないありさまだ。

神戸医療産業都市の実態は順調とは言い難いが、なぜ神戸市は「神戸医療産業都市」にこだわっているのか?

 

隣接するKCMI(ラボ)の土地無償と条件を合わせた

神戸医療イノベーションセンター(KCMI)筆者撮影

驚いたことに、ポートライナー「京コンピューター駅」前の神戸医療イノベーションセンター(KCMI)の土地は無償提供されていたという。

(2019年11月神戸市「外郭団体に関する特別委員会」会議録)

このため「クリエイティブラボ神戸」も隣接する神戸医療イノベーションセンター(KCMI)と同じ条件とするために、土地購入代金10億円と同額の10億円を補助金として交付したのではないか?

しかし、そうであるなら神戸医療イノベーションセンター(KCMI)と同じ「土地無償提供」でもよかったが、なぜ「10億円で売却し、10億円の補助金交付」するのか?

前述した「土地売却実績」作りのため以外の理由として、土地が外郭団体の所有になることにメリットがあるのではないか?

例えば、公募条件の30年間ラボ事業運営後、外郭団体は土地を自由に売却できるのではないか?その場合、神戸市から10億円で購入したことになっているので、土地売却益は外郭団体の資産になるのではないか?

民間企業の出資分?

「クリエイティブラボ神戸」の整備費は土地取得費を除いて39億円で、計画では民間企業も10億円を出資することになっていた。

神戸市の補助金も10億円で金額が一致するのは偶然だろうか?

 

まとめ

神戸ポートアイランド2期の「神戸医療産業都市」は多くの研究所などが建設されており、一見に順調に成長しているように見える。

しかし、よく調べてみると、神戸市が土地を無償提供したり、10億円で土地を売却し同額の10億円を補助金として交付するなど、不透明な資金の動きがある。

結果的に「神戸医療産業都市」は、神戸市から外郭団体への資金移動の隠れ蓑になっているではないか?

参照

神戸市「外郭団体に関する特別委員会」で神戸市の10億円補助金交付を追及した神戸市議会議員「岡田ゆうじ」氏のツイート